AH blog vol.011:違いを楽しむ
皆さんは「バイアス」という言葉を
ご存じですか?
バイアスとは、
偏見や先入観、考え方の偏りといった
意味を持つ言葉です。
バイアスは人間が生存するために必要な
とても重要な脳の機能です。
だた、今の人類にとっては、
誤った判断をしてしまう最も大きな
要因にもなっています。
バイアスというものを理解して
もらうために、なぜこのような
脳の機能が生まれたのかを
紐解いていきましょう!
起源は諸説ありますが、主に人間が
狩猟をしていた時代に、危機を素早く
回避するために備わった仕組みと
言われています。
そしてたくさんある「バイアス」の
代表的な内容をお伝えすると、
■「認知バイアス」・・・
自分に都合のいい情報ばかり
集めてしまう現象のこと
※簡単な例として子供がほしいゲームを「みんなが持っているから買って!」とおねだりすること
■「感情バイアス」・・・
人々の意思決定や判断が「感情」
によってプラスマイナスの影響を
受けること
※簡単な例として「好きだから良い、嫌いだから悪い」という判断をすること
■「正常性バイアス」・・・
自分に都合の悪い情報を
無視してしまう現象のこと
※簡単な例として「自分はコロナにかからないだろう」や「飲み会に参加するぐらい大丈夫だろう」と考えて緊急事態宣言時に不要不急の外出をすること
■「生存者バイアス」・・・
成功した人や企業の経験ばかりに注目し、
その他多くの失敗事例を顧みない行為
などのこと
※簡単な例として、事故生存者の話を聞いて「その事故はそれほど危険ではなかった」と判断するというようなこと
調べていて特に思ったのが、
「類は友を呼ぶ」という言葉です。
たとえば初対面の人が同郷だったり、
同じ大学を卒業していたりすると
妙に親近感がわくことがあります。
また私は営業の仕事を長くしている
のですが、お客様との会話の最初に
自分との共通点を探す質問をして、
見つけるとその後の商談がスムーズ
にいくケースが多々ありました。
そしてプライベートでは、共通の趣味
を持った仲間で集まって時間を過ごすと、
いい人間関係が構築されて長く良い
付き合いになることが多いと思います。
反面、最初に話していい印象を持たない
となかなか仲良くなれなかったり、
その人を意図的に遠ざけてしまったり
することもよくあるのではないでしょうか?
これはおそらく人の内面を正確に
把握することが困難なため、
敵と味方を瞬時に把握するために、
「この人とはいい付き合いができそうだ、
またはこの人とはうまくいきそうにない
かな」とラベル付けをしており、これは
物事をスムーズに進めるための機能
なのだと思います。
ただそのバイアスにより以下の悪い
影響が出ます。
①多様性のある考え方を排除する
②公平な判断をする妨げになる
今のSDGsが声高に叫ばれ多様性を
重んじる時代にはそぐわず、
人種迫害やジェンダーギャップなどの
偏見を助長し、もしかしたら戦争の
きっかけになっているのではないかと
思います。
そんなバイアスを回避する手段として
主に以下の方法があげられます。
①対抗意見にも耳を傾ける
②事実と意見をわける
③前提を疑う
④肩書や関係性だけで判断しない
⑤自分の普遍的な判断軸を持つ
日本は閉鎖的な島国根性が強い国だと
私は思いますが、これからの時代は
世界と渡り合っていかなくてはなりません。
そのためにも自分と生まれや価値観が
全く違う人や、最初に話して
「合わないかも」と思った人にも、
ほんの少しの興味を持って自分との
「違い」を見つけ、そこにスポットを
当ててほしいと思います。
この「自分との違いを楽しむ」行為こそ、
今まで持てなかった考え方を形作る新しい
発見につながり、それが人の成長を加速
させると信じています。