AH blog vol.006:言葉の魔力
突然ですが、今回は少し哲学的で宗教的
なことをお話しします。
私は、あまり信仰心は強くない浄土真宗
(多分そうだと思われる)の家で生まれた
標準的な仏教の家庭の出ですが、
特に今まで宗教に浸潤したことがなく
何かの宗教の信仰の勧めではないことを
あらかじめお伝えします。
では質問です。
人間とそれ以外の生物の最も大きな
違いは何だと思いますか?
例えば常時2足歩行で歩くこと、
火をおこせること、
複雑な人工物を作ることができること、
等々
まだまだあるかもしれません。
そんな中で、私が最も大きな違いと考える
のは、『文字を書き、文化を継承できる』
ということではないかと思います。
ある記事で
「人は死を知っている。それから逃れ
られない、ということも知っているが、
その他の生物は自分の死を具体的には
知らない」というものがありました。
なぜなのでしょうか?
その答えとして、
人は自分がいつか死ぬことを知っている
から、「なんで生きているのだろう」と
深く考え悩む人も出てきて
その不安や苦しみから信仰を求め、
宗教の信心にその問いをぶつけて
安心を求める。
動物は自分の「生」に疑問を感じない。
と書いてありました。
事実体験したことのないことを理解する
ためには、先人からの情報共有が必要に
なります。そのために言葉は生まれた
のではないでしょうか。
我々は当たり前のことととらえていますが、
これは人にしか得られない領域です。
そんな言葉について私たちは、
なぜ言葉が存在するのか?
先人はどのような思いで言葉を生み出して
きたのか?
といった疑問を持つことは少ないのでは
ないかと思います。
『人間という種を未来に存続させるための
遺伝子の働き』なんて表現したら
ちょっと哲学者っぽくていいかも
しれませんね。
また別の考えで、
人は言葉で死生観を伝承してきたことで、
自分の終わりを知り、
終わりとそれまでの時間を知ることで
逆算して生きることを考え、
よりよい人生を過ごすモチベーションを
作っているのではないかとも思います。
その言葉はこの人間社会に脈々と受け
継がれて、ある意味で人を支配し、
皆さんの人生をどのようにでも変えて
いく力があると思うのです。
そんな言葉(=人間の心)をコントロール
することで、人は豊かな人生を過ごす
パスポートのようなものを手に入れるはずです。
その指南書として宗教の中ではいろいろな
ことを説いているのではないでしょうか?
私も経営者として会社をよりよくしたいと
いう思いから色々な本を読みます。
最近手に取った書籍ですと、これから
新しい1万円札に顔が載る「渋沢栄一氏」
や、個人的に経営の師として学ばせて
いただいている「稲盛和夫氏」など、
多くの経営者が宗教などを引用して、
人として正しい考え方・動機で物事に
向かう大切さを説いています。
一例を挙げると
儒教の「中庸」という考え方があり、
人は「過不足なく偏りのない」ことが大事
であるとのことです。
他にもたくさんありますが、
まずは皆さんも人の最大の武器である
言葉をもっと活用して、先人から多くを
学び、豊かな人生を送るヒントを
得てみてはいかがでしょうか。